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会社設立のメリットについて
1. 会社にすると社会的信用が高まる
事業を行う場合欠かせないのが、対外的な信用です。
第三者からみて個人事業では、財政状況や経営状況が把握しにくくなっており、取引先に対しても信用度が低くなります。
それに対し会社組織は、定款や登記簿謄本などによって個人と会社の計算が明確に区分されているため、取引先も会社の財政状況や経営状況を信用して付き合うことができます。
このように、会社の状態を第三者が確認できることが信用の基礎となってくるのです。
信用力を特に問われるのが、銀行からお金を借りるときです。たとえば銀行からお金を借りるとき、個人事業ではその人の担保能力だけで判断されがちです。しかし会社なら、代表者の資質やこれまでの実績、将来性などを総合的に判断されるので借り入れがしやすくなるといわれています。
その他、楽天やヤフー等ショッピングモールへの出店も法人と個人事業主では下記のような異なる基準が設けられております。(2007年6月13日現在)
- ヤフーショッピングの場合
- 個人事業主の場合は確定申告書のコピーの提出が義務づけられていますので、最低でも1回は個人事業主として税務申告を行っている必要があります。法人の場合は登記簿謄本を提出するのみでOKです。
- ヤフーショッピング出店案内
- 楽天市場の場合
- ヤフーショッピングと同じく個人事業主の場合は確定申告書のコピーの提出が義務づけられていますので、最低でも1回は個人事業主として税務申告を行っている必要があります。また、申込み時に実店舗の写真を貼付する必要があるなど、法人の申込みに比べて手続が煩雑。
- 楽天市場出店案内
上の規定によると、
個人事業を開業したばかりの人は圧倒的集客力を誇るヤフーや楽天のショッピングモールには出店できません。
楽天市場は追い打ちをかけるように「実店舗の写真貼付」という条件も添えられていますおり、個人事業主には門戸が狭められています。インターネット通販の一番のメリットは『実店舗が無くてもパソコン一つで商売ができること』なのに、実店舗がなければ出店できないなんて・・
しかし、会社ならば登記簿謄本や定款を提出すれば新規設立の会社であっても申込みはOKとなります(審査はありますので必ず出店できるわけではありません)。これも上で述べている「法人と個人事業主の社会的信用度の違い」から生まれた基準です。
まだまだあります!
「個人事業主と法人(会社)の社会的信用度の違い」
- 個人事業主とは取り引きしない会社・法人がある(非常に多いです。個人事業主が法人化するきっかけの一つが「契約のため」です!)
- 事務所や店舗の賃貸(個人事業主には貸さない大家さんも存在します!)
- 個人事業ではできない事業もある(代表的なのが介護事業です!)
2. 事業資金を集めやすい
会社組織のほうが、世間の信用を得られるので事業資金を集めやすくなります。個人でも、50万円や100万円程度ならば、知人・友人、親族から借りて集められるでしょうが、それ以上となると貸してくれる人を見つけるのが難しくなります。このように個人の信用では、集められる資金も自然と限られてくるでしょう。
一方、会社であれば、「出資者」を募ったり、世間の信用で、ある程度の資金を集めることができるでしょう(もちろん出資者を納得させるだけの事業計画は必要ですが)。
出資者には会社が利益を出して配当金という形で還元していきますので、出資者から集めたお金は、万一倒産してしまっても法的には出資者への返済義務はありません。
3. 倒産したときの責任の重さが違う
個人事業の場合、事業に失敗すれば、個人の預金、住んでいる家や土地などを処分して負債(借金)に充当しなければなりません。
しかし、会社組織の場合は、万が一倒産しても個人は責任を負いません。法律的には会社と個人は別人格とされていますので、合名会社、合資会社を除いて出資金以上の責任は追及されることはありません。
ただし、経営者個人が会社の負債に対し個人保証をしていた場合(連帯保証人などになっている場合)は責任を負わなければなりません。
現実には、小さな会社の場合、金融機関からの融資など会社の債務に社長個人の連帯保証を求められるのが一般的です。ですので会社の代表者は、金融機関からの借入に対しては無限に責任を負う覚悟が必要となります。
しかし業務を行う上での仕入などの契約では、保証人になっていない限り
- 会社との契約
ということになりますので、万が一会社が倒産してしまったとしても、経営者には支払の責任が生じないことになります。日頃の売り掛け等の債務が免除される分、個人事業主と比べて負担が軽くなり、再出発がしやすくなるということです。
4. たとえ赤字でも資金繰りが続く限り給料はもらえる
個人事業の場合、事業主の給料は収入から経費を除いたものとなります。したがって、収入より経費が多ければ『給料はなし』ということになります。
これに対して会社組織の場合、社長であるあなたの給料は役員報酬とされるため、会社の必要経費となります。よって資金繰りの都合がつく限り、会社が赤字のときでも給料を会社からもらうことが保証されています。
事業開始初年度など事業開始後数年間は収入より出ていく経費のほうが多いというのが一般的です。個人事業の場合だと、最初の数年間は給料ゼロという可能性もありますが、会社組織の場合はそういったことは発生しません。
「自分への給料を支払ったら赤字になってしまう」
ということで、支給された給料をすぐに会社に貸し付ける、ということにはなりますが、会社が軌道に乗ってお金が貯まってきたならば、この貸付金を会社から返済してもらうことが可能になります。
毎月30万円を12ヶ月貸し付けているならば、360万円にもなります。事業が軌道に乗ったときのボーナスみたいなものですね。
5. 会社にすると税金面で有利になることも・・
税金は、個人事業の場合と比べて会社組織にするとかなり安くなります。これは高い税金に悩んでいる個人事業主にとって、会社経営の最も魅力的な点でしょう。
会社と個人事業の税金の種類・税率は下記のとおりです。
会社にかかる税金(資本金1000万円未満の場合)
年間課税所得 | 法人税 | 法人事業税 | 法人住民税所得割 | 法人住民税均等割 | 合計税率 |
---|---|---|---|---|---|
400万円以下 |
22% |
5% |
3.81% |
7万円 |
30.81% |
400万円超800万円以下 |
22% |
7.3% |
3.81% |
7万円 |
33.11% |
800万円超 |
30% |
9.6% |
5.19% |
7万円 |
44.79% |
会社経営者は会社から役員報酬(給料)を受け取ることになります。この役員報酬にも所得税と住民税がかかります。
個人事業主にかかる税金
年間課税所得 | 事業税 | 所得税・住民税合算 |
---|---|---|
200万円以下 |
業種によって異なる。 |
15% |
200万円超330万円以下 |
20% |
|
330万円超700万円以下 |
30% |
|
700万円超900万円以下 |
33% |
|
900万円超1800万円以下 |
43% |
|
1800万円超 |
50% |
これらの表だけでは実感が湧かないと思いますので(説明している私自身もピンと来ない。。。)、実例を挙げて説明します。
売上高を1200万円、仕入高・経費を720万円、家族構成を配偶者あり・子ども1人として税額を計算してみると下記のようになります。
会社の場合 | 個人事業の場合 | |
---|---|---|
売上高 |
1200万円 |
1200万円 |
仕入高・経費 |
720万円 |
720万円 |
役員報酬 |
480万円 |
0円 |
事業利益 |
0円 |
480万円 |
個人事業青色申告控除 |
0円 |
65万円 |
給与所得控除 |
150万円 |
0円 |
扶養控除など |
114万円 |
114万円 |
所得金額 |
216万円 |
311万円 |
個人所得税・住民税 |
33万2000円 |
50万2000円 |
法人税・法人住民税 |
7万円 |
0円 |
個人事業税 |
0円 |
9万5000円 |
法人事業税 |
0円 |
0円 |
税金合計 |
40万2000円 |
59万7000円 |
差額 |
+19万5000円 |
もうちょっと事業の規模を大きくして、売上高を1800万円、仕入高・経費を1080万円、家族構成を既婚・子ども1人として税額を計算してみると下記のようになります。
会社の場合 | 個人事業の場合 | |
---|---|---|
売上高 |
1800万円 |
1800万円 |
仕入高・経費 |
1080万円 |
1080万円 |
役員報酬 |
720万円 |
0円 |
事業利益 |
0円 |
720万円 |
個人事業青色申告控除 |
0円 |
65万円 |
給与所得控除 |
192万円 |
0円 |
扶養控除など |
114万円 |
114万円 |
所得金額 |
414万円 |
541万円 |
個人所得税・住民税 |
81万2000円 |
119万3000円 |
法人税・法人住民税 |
7万円 |
0円 |
個人事業税 |
0円 |
21万5000円 |
法人事業税 |
0円 |
0円 |
税金合計 |
88万2000円 |
140万8000円 |
差額 |
+52万6000円 |
さらに事業の規模を大きくして、売上高を3000万円、仕入高・経費を1800万円、家族構成を既婚・子ども1人として税額を計算してみると下記のようになります。
会社の場合 | 個人事業の場合 | |
---|---|---|
売上高 |
3000万円 |
3000万円 |
仕入高・経費 |
1800万円 |
1800万円 |
役員報酬 |
1200万円 |
0円 |
事業利益 |
0円 |
1200万円 |
個人事業青色申告控除 |
0円 |
65万円 |
給与所得控除 |
230万円 |
0円 |
扶養控除など |
114万円 |
114万円 |
所得金額 |
856万円 |
1021万円 |
個人所得税・住民税 |
221万6000円 |
291万4500円 |
法人税・法人住民税 |
7万円 |
0円 |
個人事業税 |
0円 |
45万5000円 |
法人事業税 |
0円 |
0円 |
税金合計 |
228万6000円 |
336万9500円 |
差額 |
+108万3500円 |
上記のように「所得が増えれば増えるほど」個人事業よりは会社のほうが税金面で優遇されていきます。
上の計算では社会保険の加入(厚生年金や健康保険等)や役員の人選等は一切配慮していませんが、これらの事項を活用することによってさらに納める税金を少なくすることが可能です。
(会社の場合、社長はもちろん、身内の役員、家族従業員への給与を経費で落とすことができます。交際費も一定限度までは経費として認められやすくなっていまます。つまり会社のほうが所得から差し引ける「控除」や「損金」の範囲が広いため、同じ収入額でも課税される所得金額は個人事業より小さくなる可能性が高いです。)
6. 会社には相続税がかからない
個人事業の場合、経営者が死亡すれば個人財産であれ事業用財産であれ、すべて相続の対象となるため相続税がかかります。
しかし会社組織の場合、たとえ経営者が死亡しても、解散などの事由がない限り会社は存続するので、会社の財産であれば相続税はかかりません(ただし、経営者が所有していた株式については、相続税が課税されます)。
7. 会社を継続的に存続できる
個人事業では子息への店舗の継承などに相続税の問題が発生します。許認可事業を営んでいる場合はほとんどの場合子息への免許証などの引継が行えず、もう一度子息の名義で許認可の取り直しとなります。
一方、会社では会社自体が「法人」という独立した存在として認められているため、社長がバトンタッチしても、企業はそのまま継続することができます。許認可事業を営んでいたとしても新代表者が許認可基準を満たしている限り、代表者の変更届などを提出するだけでOKという事業が多いです。
8. 家族にも給料が自由に支払える
個人事業では、原則として家族に給料は支払えません。青色申告事業専従者として、税務署に届けた場合のみ、その専従者に限り、届け出た金額の範囲内でのみ給料の支払いが認められています。また、金額の変更等も届出が必ず必要です。
しかし会社の場合は制限はありません。常勤役員や従業員はもちろん、非常勤であっても、資金繰りがつく限り、給料(役員報酬)を受け取ることができます。
9. 経費の認められる範囲が広い
個人事業の場合、必要経費が会社法人ほど認められないケースがよくあります。これは、どこまでが個人のもので、どこまでが事業用のものなのかがはっきりとしないためです。
しかし会社組織では、個人と会社が経理上も明確に区分されるため、個人事業では認められない経費が認められます。
たとえば、自宅を事業所にすると、一定の条件のもとで住宅費や光熱費は経費で落とすことができますし、生命保険の場合でも、個人の場合には、5万円までしか経費として認められないものが、会社では全額認められます。
また、自動車を個人事業主が事業用として購入した場合、特別の事由がない限り全額経費として認められませんが、法人では全額経費として認められます。
個人経営者の退職金は認められませんが、会社では退職金まで経費として認められているのです。
その他、代表者個人の持ち物である自動車やパソコンを会社に貸し付け、リース料を取ることも可能になります。個人事業だと「自分の持ち物を自分に貸し付けてどうする!」ということで当然リース料なんて事業経費として認められません。
10. 決算期を自由に決められる
個人事業の場合は毎年1月1日から12月31日までのトータルの損益をまとめて、翌年2〜3月に確定申告をしなければなりません。税務署の申告窓口が混雑していても、本業が忙しい時期でも、必ずこの期間に行う必要があります。
一方、会社の場合は、本業の繁忙期を避けるなど、自社の決算期を自由に設定できます。
11. 社会保障も充実。厚生年金保険に加入できます
個人事業主は「国民年金」に加入します。
国民年金に20歳から60歳まで40年間加入しても、老後にもらえる年金額は年額78万円(月々65000円)ほど。
国民年金の支給額だけでは100%生活はできません。定年に備えてかなりの貯蓄額が必要になります。
会社の経営者はサラリーマンと同じ「厚生年金」に加入します。
32歳で会社を設立されて、毎月の給料(役員報酬)を40万円に設定すると、老後にもらえる年金額は年額179万円(月々約14万9000円)。会社を設立して給料をもらうだけで一桁もらえる金額が増えてしまいました。
- 個人事業の国民年金
- 会社員・会社経営者の厚生年金
とでは老後にもらえる年金額に非常に大きな差が出ます。
(厚生年金の方が毎月支払っている金額(保険料)が圧倒的に多いので当然といえば当然ですが)
社会保険庁のホームページに設置されている年金計算のプログラム
質問に答えていくだけで、老後にもらえる年金額がだいたいわかります。
私は
- 国民年金の加入期間を11年間(20歳〜31歳まで)
- 会社設立後の平均給料を40万円
として上記の支給額(179万円)を計算しましたが、あなたの受け取る給料額(役員報酬)がもっと多いということならば、受け取る年金額も大きくなっていきます。
また、従業員も社会保険がしっかりとしている「会社・法人」に募集が集まる傾向がありますので、よい人材に巡り会える可能性も高くなります。
- 従業員を雇うことで、事業展開が大きくなり、自分への給料(役員報酬)も増え、将来もらえる年金額も増える・・・
ということも十分にあり得ます。
この他にも会社にすることによるメリットはたくさんあります。これらをあげていくときりがないので省略させていただきます。
結局、このような理由から個人事業よりも会社組織にしたほうが、断然有利だということですが、会社組織にするデメリットも少なからずあります。
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