株式会社の取締役・監査役の決定しよう

「新会社法」では、株式会社の役員の人数に関する最低基準が変更しました。詳細はこちらから!

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取締役や監査役の人数制限が撤廃されました!

 従来ならば株式会社は

  • 取締役3名以上、監査役1名以上の合計4名以上の役員が必要

 でした。

 この大原則は、どんなに小さな株式会社にも適用され、株式会社を設立する場合、役員に就任してくれる方を探しに東奔西走しなければいけませんでした。

 2006年5月より施行された「新会社法」では、株式会社の役員の人数に関する最低基準が

  • 取締役1名以上
  • 監査役は置いてもおかなくても良い

 と従来の有限会社と同じレベルにまで緩和されています。
 つまり、、、

  • 「社長1人のみで株式会社が設立できる」

 ということです。

まずは、どのような会社組織にするか考えよう

 新会社法の下では、3通りの株式会社設立が考えられます。正確には30種類以上のパターンがありますが、通常の規模で会社設立される場合は、現実的にあてはまらないものばかりなので、3つに絞り込みました

  • 1. 取締役のみの『従来の有限会社タイプの株式会社』

 「取締役は○名以上いなければいけない」という決まりはありませんので、役員は社長1人だけ、という株式会社も設立できます。

 役員の人数集めをする必要がありませんので、最も手軽に設立できる株式会社のタイプとなります。実際最も依頼の多いタイプです。

  • 2. 「取締役1名又は2名、監査役1名」という株式会社

 監査役は新会社法では「必ず置かなければいけない」というものではないのですが、税理士や公認会計士などの「税務・会計の専門家」が監査役に就任していると、決算書類の信憑性は高まります。

 有資格者までとはいかなくても一般企業で経理・財務担当職にあった方を監査役に迎えることができるならば、是非迎え入れておきましょう。少なくとも会計書類作成で頭を悩ますことはなくなりますので。

  • 3. 「取締役3名以上、監査役1名以上」の従来の株式会社と同じ形態

 無理して最初からこの形態で起業する必要はないと思いますが、この役員の人数をクリアできるならば「最も株式会社らしい株式会社」を設立することをお勧めいたします。

  • 「取締役会設置会社」
  • 「監査役設置会社」

 ということで、ここで取り上げた3つの株式会社の中で最も対外的信用力が高いタイプとなります。

取締役や監査役になる人の見当をつけておこう

 役員とは、会社の運営について責任ある地位にいる人をさします。代表取締役、取締役および監査役などです。これら役員の選任には、正式な手続きを必要とします。誰が役員になるのか、あらかじめ考えておき、承諾を取っておきましょう。

(1) 取締役・監査役とは?

 取締役は、会社の業務執行に関する意思決定に関与します。代表取締役は、会社の代表権をもつ取締役のことです。取締役が一人の場合は、その方が強制的に代表取締役ということになります。

 監査役は、会社の会計を監査する権限をもつ人で、取締役と兼任することはできません。

(2) 取締役・監査役の任期は?

 原則、取締役は2年、監査役は4年とされています。

 ただし「株式の譲渡制限会社」にしておけば、取締役、監査役とも任期を10年まで伸長することができます。

超重要!
※株式の譲渡制限とは?

 株式を他人に譲るときに
  「代表取締役の承諾を得なければならない」
とか
  「株主総会の議決を得なければならない」
というように、制限を付けて自分が知らないところで自由に売買・譲渡ができないようにしておくこと。

 こう設定しておくと、
  「知らないうちに株が買い占められていた」
というような会社の乗っ取りを防ぐことが可能になります。

これも重要
※任期を決める際のアドバイス※

御自身お一人で役員になられる場合

10年が最適です。

御夫婦・親子で役員を固められる場合

5年が最適です。

第三者が役員になられる場合

2年又は3年が最適です。

 任期の途中で役員を解任することは非常に難しいです。横領などの不正行為を行っているならば別ですが、正当な理由なしに役員を解任した場合は、「任期満了までの役員報酬を払え」と損害賠償を請求されるリスクがつきまといます。

 御自身お一人で役員になられるならばそのような問題は発生しませんので、最長の10年にされても問題はありませんが、他人が役員に就任される・就任する可能性がある場合は、役員の任期を短くしておきリスクヘッジをかけていた方が安全です。

(3) 会社設立時の取締役・監査役の選任方法は?

 発起設立では、定款の記載もしくは発起人会で役員を選任します。募集設立では、設立前に株主が集まって開く創立総会で正式に役員を選任します。なお、役員は発起人以外の者でも構いません。

(4) 任期終了後の取締役・監査役の選任方法は?

 株主総会で役員を選任します。決議方法は定款の定めに従います。定款に特に定めのない場合は、通常決議の方法をとります。

(5) 代表取締役の選任方法は?

 代表取締役は、取締役となった者が集まって開く取締役会で選任されます。取締役会が設置されていない場合は、取締役が集まり、話し合って決定します。

(6) 役員の資格は?

 役員は株主以外にも、有識者など外部の人を迎えることも可能です。また、未成年者でも15歳以上なら、親権者・後見人の同意があれば役員になれます。

 ただし、以下に記載している立場の方々は役員になれないので注意してください。

  • 法人(会社など)
  • 商法関係犯罪者(執行猶予中・刑執行から2年が経過していない者など)
  • 非商法関係犯罪者(禁固刑以上の者。執行猶予中の者は除く)
  • 成年被後見人又は被保佐人(財産管理に後見人の助けを必要とする人)

 ※商法関係とは?
「会社法、中間法人法、証券取引法、民事再生法、外国倒産処理手続の承認援助に関する法律、会社更生法、破産法」と定められています。

就任承諾書は必要か?

 取締役・監査役の就任に関しては、選任された者に就任の意志があることを確認しておく必要があります。要するに、就任予定者から「取締役(監査役)を引き受けてもいいよ」という約束をとりつけておくということです。

 発起人が取締役・監査役になる場合は、就任承諾書を作成する必要はありません。定款の記載そのものが、選任された発起人の就任承諾の証しとなるためです。

 しかし、以下の場合は就任承諾書が必要になります。

  • 発起設立で、発起人以外の人が取締役・監査役になる場合
  • 発起設立で、定款で取締役・監査役を選任しなかった場合
  • 募集設立の場合
  • 電子認証定款を作成して会社設立を行う場合

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